- 2010/07/02 17:17
カメラ付携帯電話やデジタルカメラ、インターネットの普及によって、写真を撮る、見せる、あるいは売買する、といった行為をめぐる従来の枠組みが解体しつつある21世紀。写真にかかわる職業、分野、作品の意味などにも大きな変化の波が打ち寄せています。今後アートや写真はより積極的に、社会と、また異分野の創造や研究とかかわることになるでしょう。そのとき求められるのは、広い視野と教養、正確な技術を身につけ、自分自身の「見る目」をもった新しい映像人です。本コースでは在来のジャンルにこだわらず、銀塩写真の基礎から高度なデジタル表現に至るまで徹底した技術指導を行います。同時に写真やアートが機能する社会や歴史について深く考察し、多彩な教師陣やゲストとの対話、発表を通じて柔軟な思考力やコミュニケーション力を鍛えます。さらに実践的な英語力の養成を重視し、ニューヨークなど海外のアートスクールとの国際交流も予定しています。
※現代美術コースと共通カリキュラム
特徴と狙い
本コースの特徴は、写真を一義的に表現手段とみなすのではなく、近代そのものを形成してきた文化として、社会やアートの未来について考えていくための知的かつ実践的な手段=ツールとしてとらえるという点にあります。制作技術の習得と平行して想像力・思考力のトレーニングを重ねることで、「作る力」「見る力」「考える力」の獲得をめざします。
特色のある授業紹介
- 「写真基礎Ⅰ(撮影)」
「写真を撮る」ためには撮影機材の操作技術以上に、私たちが生きる世界の「どこにどう立つか」を判断する力が必要になります。体と脳を駆使し写真の根源的な特性を体感するため、大判カメラによる銀塩写真の実践から始め、写真史や美術史とリンクしながら、見ること、考えること、撮ることが連動した「基礎撮影力」の習得をめざします。 -
「作家研究」
さまざまな作品集や展覧会のなかから、学生自身がみずから作品を選び出し、コンセプトをまとめあげ、仮想の展覧会をプレゼンテーションする授業です。いわばキュレーターやDJのようになり、身のまわりの図書館やデータベースを駆使し、自分の関心や知識の範囲を広げて「見る力」を鍛えることをめざします。
施設紹介
「フォトラボ」
最大50名が同時に使用できる設備をもち、モノクロおよびカラーの大型プリント、さらにはインクジェットによるB0判の大型出力など、最新のデジタルフォトにも幅広く対応する国内有数規模のマルチ暗室です。大判カメラやレンズ、ストロボなどの機材も常備。授業外での個人作品制作にも使用できます。
こういう人に来てほしい
持久力、持続力のある人。写真やアートの予備知識や経験の有無は問いません。むしろ白紙で来る人こそ楽しく学べるかもしれません。大切なのは、常識といわれる物事や決まりごとの多すぎる世界を打破したい、と強く願う気持ちと行動力。専門にとらわれず広い知識を吸収したい、自分の目で世界をくまなく見たい、という貪欲な好奇心です。
理想の未来
撮る側、見る側を問わず、柔軟な思考とフットワークで写真や映像表現にかかわり世界を移動し続ける映像人。アーティストでも、写真家でも、ジャーナリストでも、キュレーターでも、エディターでも、ギャラリストでもあり得ます。または写真史やメディア論などの研究者。教育者。美術や写真だけでなく建築や都市計画など、多分野の大学院進学もあるでしょう。
京都造形芸術大学 芸術学部 美術工芸学科
































